七栗記念病院

七栗記念病院では、できる限り早く専門的緩和ケアを実践しうるために、入院相談外来から1週間以内に入院いただけるよう努力しております。基本的に、苦痛を伴う無理な延命治療は行わず、患者さまとご家族さまが穏やかで幸せな時間を最期まで過ごせるように積極的な症状緩和と栄養療法を行っております。

さらに、2016年10月から、一般病棟でありながら、精神(こころ)にも身体(からだ)にも優しい緩和医療を提供すべき1ランク上の質の高いハイブリッド緩和ケアの病床を開設しております。早期から緩和ケアを実践する目的で、がん化学療法、がん患者が陥る悪液質に対する栄養サポートなどを併施しながら、疼痛をはじめとする様々な身体的症状に対する治療、精神的支援などを実践しております。環境、設備にも十分配慮された“癒やし空間(ハイブリッド緩和ケア)”で、これまでにない療養生活を送っていただきます。

緩和医療に関すること、栄養管理に関すること等お気軽にご相談ください。
一時入院、在宅医療への支援なども積極的に行っております。

施設のご案内

季節の行事

受診・入院について

七栗記念病院に通院中の患者さま・ご家族さま

主治医に受診希望であることをお伝えください。
当科を併診することができます。

他病院に入院、通院中の患者さま・ご家族さま

現在、入院、通院中の病院での主治医に診療情報提供書を記入いただき、緩和ケア・外科を受診ください。
当院の入院相談日は、月曜日〜金曜日の外来受付時間8時45分〜11時30分です。(土曜日:8時45分〜11時00分.予約制)
当日の受診は患者さまご本人に来ていただくか、ご家族さまのみでも可能です。

そのほかの様々なケースの患者さま

そのほかにも様々なケースの患者さまの受診、入院が可能です。

  • 栄養状態の改善を目的とした入院
    栄養サポートチーム(NST:Nutritional  Supporting Team)
    詳細はこちら
  • 疼痛コントロール、医療用麻薬の導入などを目的とした入院
  • 腹水(胸水)濾過濃縮再静注法(CART)を目的とした入院
    • ※CARTとは、腹水(胸水)を抜いて濾過し、中にあるたんぱく質を点滴にして再利用する処置です
  • レスパイト入院
    • ※レスパイト入院とは、在宅介護などで介護者が疲れ切ってしまうことを防ぐための短期入院です

お問い合わせ先

七栗記念病院 事務部入院担当
TEL:059-252-1555 FAX:059-252-1383

入院相談日  月曜日~金曜日
外来受付時間 8:45~11:30

患者さまご本人、もしくはご家族のみの受診でも可能です。
来院方法や入院手続きなど事務的なご相談は、事務部入院担当が対応いたします。
必要に応じて、医療ソーシャルワーカーとの面談も可能です。
※緊急入院以外の入院日は予約制となります。

外来(家族相談)診療担当医

伊藤 彰博交代制※都築 則正伊藤 彰博村井 美代交代制※
  • ※代診となる場合もございます。
  • ※火曜日:第2,4週は臼井教授/第1,3,5週は村井准教授
  • ※土曜日:村井准教授または都築医師、藤崎医師
  • ※診療受付時間
    月曜日~金曜日:午前 8:45 – 11:30
    土曜日:8:45 – 11:00
    休診日:日曜日、祝祭日、年末年始(12月29日~1月3日)

緩和ケア病棟のご案内

入院日は入院していただくお部屋の目途がたち次第、医事課入院担当よりご連絡いたします。
まずは、一般病棟(特別病室・個室・3人床・4人床)に入院をしていただき、病状、ご希望などをもとに緩和ケア病棟に転入していただきます。患者さまの病状や厚生労働省の定めた病棟入院患者基準などにより、ご希望の病棟をお勧めできないこともあります。

一般病棟におけるハイブリッド緩和ケア

七栗記念病院では、一般病棟の半区画をハイブリッド緩和ケアとしての病床運用をしています。

従来、化学療法などの腫瘍に対する治療が終了した終末期がん患者さまを、近隣地域中核病院を中心に積極的に受け入れてきました。加えて一般病棟でありながら、精神(こころ)にも身体(からだ)にもやさしい緩和医療を提供すべき1ランク上のHigh Qualityなハイブリッド緩和ケアの病床を運用しております。

  • 1)早期からの緩和ケアの実践を目標に、治療途中であっても、期間を区切り、疼痛コントロールをはじめとする様々な身体的症状に対するコントロール、精神的支援への対応にも十分配慮された“癒やし空間(ハイブリット緩和ケアの病床)” の中で治療し、療養生活を送っていただきます
  • 2)代謝栄養学を駆使して行う緩和ケア栄養サポートチームを十分活用できるための医療、すなわち、体組成の実測(筋肉量の測定、脂肪量の測定)、安静時に必要なエネルギーを測定、血液検査Dataに基づいた栄養管理の充実を図ります。口から食べることの重要性を最重要課題として、積極的な栄養管理を行うと同時に、経口摂取が不十分な患者様に対しても、皮下埋め込み式静脈ポート造設などを行い、静脈からの栄養を駆使し、在宅以降へ導いております
  • 3)再発、進行がん患者への腫瘍に対する治療を継続するためのがん化学療法を行います。すなわち、がん治療専門医からのバトンタッチを行いつつ、加えて充実した緩和医療を行います。
  • 4)消化器、婦人科がんなどに併発する大量腹水患者さまに対しても、腹水を抜水し、栄養分を再度身体に戻す腹水濾過濃縮再静注法、消化管閉塞を併発した患者さまに対しても減圧PEG(胃瘻)などを積極的に施行することにより、再び食べる喜びを味わっていただけるよう治療し、再度在宅医療へ導いております。
  • 5)在宅にて病状悪化された場合には、即座に受け入れ体制を行う病棟として稼動します。

緩和ケア病棟 Q&A

緩和ケア目的の入院について

Q.入院条件について教えていただけますか?
当院では、少しでも早く当院に入院していただき、症状を緩和することを目的に、すべての患者さんに、先ず、一般病棟に入院していただいています。その後、下記の「日本ホスピス・緩和ケア協会の入院条件1)~3)」をふまえて、他職種による判定会議を行い、緩和ケア病棟への転棟の適否を判断しています。病状を考慮するため、緩和ケア病棟へ転棟する順番は一般病棟に入院していただいた順番と異なることがありますのでご容赦ください。

日本ホスピス・緩和ケア協会では緩和ケア病棟への入院の条件を次のように定めています。
1)悪性腫瘍またはエイズの患者さんを対象とする。
2)患者さんとご家族、またはそのいずれかが入院を希望していることが原則である。
3)入院時に病名・病状について理解していることが望ましい。理解していない時には、患者さんの求めに応じて、適切な病名・病状の説明がなされる。

Q.入院、通院を希望する場合はどのようにしたらよいですか?
入院、通院についてのご相談は、当院の緩和ケア外来に患者本人とご家族さん、またはそのいずれか(患者本人のみ、家族さんのみでも可)の受診をお願いしています。 その際、通院または入院されている施設の主治医からの紹介状を必ず持参してください(事前にFAXしていただいても構いません)。
緩和ケア外来 TEL:059-252-1555(代表)
毎週月~金曜日 8:45~11:30、土曜日(予約制)8:45~11:00

Q.入院後の病棟はどのようになりますか?
ご自宅からの入院、他院からの転院、あるいは当院他科に入院中のすべての患者さんは、先ず、ハイブリッド緩和ケアに対応した一般病棟に入院していただきます。その後、患者さんの状態や、緩和ケア病棟(1階病棟)の空室状況に応じて、緩和ケア病棟への転棟となります。

Q.入院費用はどれくらいになりますか?
緩和ケア病棟でも特別な入院費用がかかることはなく、保険診療に基づいた請求となります。1日の入院医療費は一律となっています(入院期間によって、1日の入院医療費が変わります)が、実際の負担額は患者さんが加入されている保険によって異なります(入院相談時に概算をお調べし、お伝えすることは可能です)。また、ハイブリッド緩和ケアに対応した一般病棟での入院費用も保険診療に基づいた請求となります。なお、一般病棟と同様、緩和ケア病棟での医療費も高額医療費制度の対象になります。(詳しくは当院医療ソーシャルワーカーにお尋ねください。)
緩和ケア病棟の病室は全て個室ですが、室料が無料の個室と1日1,650~3,300円(税込)の有料個室があります。その他、歯科診療費や病衣代などが別途必要となることがあります。

がんの告知について

Q.緩和ケア病棟に入るためには、本人が“がん”であることを知っていなければいけませんか?
緩和ケア病棟は患者さんの意志で入所されるべきなので、あくまで原則として告知は必要です。しかしながら、患者さんの病状、発症経緯などによっては、真実を知らない方が良い場合もあると私たちは考えています。そのような場合は、ご家族さんと相談し、未告知でも緩和ケア病棟へ転棟していただくことは可能です。

がん、緩和治療について

Q.輸血や抗がん剤による治療などはしてもらえますか?
一般病棟、緩和ケア病棟に関わらず、がんに伴う苦痛を和らげるための治療を積極的に行います。また、栄養のための点滴やレントゲン検査、血液検査など状態を把握するための必要な検査も行います。
ただし、頻回の輸血、緩和的抗がん剤の投与など特別な対応が必要な治療や処置は、より適切なケアを受けていただくため、ハイブリッド緩和ケアに対応した一般病棟に転棟していただいた上で行います。ただし、当院には、放射線治療に関する設備がなく、施行することができません。

Q.がんの痛み、医療用麻薬について教えてください。
がんの痛みに対する治療に医療用麻薬は大変有効で、かつ安全なお薬です。麻薬というと麻薬中毒になる、いのちを短くするなどの誤解がありますが、そのようなことは決してありません。WHO(世界保健機関)が「がんの痛みからの解放」を提唱し作り上げた「WHO方式がん疼痛治療法」の中心となるお薬です。
麻薬に限らず痛み止めは体に良くないから我慢したほうがよいと考える人がいますが、痛みを我慢するとかえって体にストレスとなり、不眠、食欲不振などが起き、体力を奪います。

Q.補完・代替療法について教えてください?
補完代替医療とは、一般に行われている主流の現代西洋医学以外の医学を指しています。西洋医学では、いわゆる不定愁訴に対応することが困難な場合が多いと言われています。すなわち、西洋医学では力の及ばない領域を、補完・代替医療が補うことができる場合が存在します。補完・代替医療をうまく利用することにより、がん患者さんのQOL及びADLを向上させることが可能になると考えています。当院では、実際下肢のリンパ浮腫に対するリンパマッサージ、アロママッサージ、さらに腰痛などの痛み、しびれなどに対しては鍼灸治療、SSP療法、キセノン光治療などの東洋医学的治療も実施しています。

Q.民間療法はしてもいいのですか?
医師や看護師から民間療法を勧めることはありませんが、患者本人や家族さんが希望され、それが患者さんに負担でなく、かつ他の患者さんに迷惑とならないものなら、担当医と相談の上、行っていただくことは可能です。

Q.家族のケアは行っていただけますか?
患者さんにとって家族の存在は、療養生活を送る中で大きな支えとなります。しかし、ご家族も患者さんと同様に不安や悲しみを抱かれ、また介護疲れ、経済的負担などの様々な悩みがあると思われます。このような悩みに対して、他職種が連携し、できるだけお応えできるよう努めていますので、御気軽にご相談ください。
ご家族がゆっくり休むための家族室も緩和ケア病棟に2部屋用意してあります。また、患者さんが亡くなられたあとも、定期的に故人を偲ぶ会“家族会(栗の会)”を開催しています。

緩和ケア病棟の入院生活について

Q.食事、飲酒、喫煙はどのようになっていますか?
食事はできる限り希望を取り入れ、メニューの工夫(緩和ケア食)を行っています。何でもご相談ください。緩和ケア病棟で患者がお酒を少量飲んで楽しい気分になっていただくことは可能です。ただし、付き添い、面会の方の飲酒はご遠慮いただいています また、当院は病院敷地内及び全館で禁煙ですので喫煙はできません。ご協力をお願いいたします。

Q.病室について教えてください。
緩和ケア病棟には病室が20室あり、全室個室となっています。無料の個室が10部屋、1日1,650~3,300円(税込)の有料の個室が10部屋あります。部屋の広さは、無料から1,650円の個室が6畳、3,300円の個室が8畳ほどです。室内には全室にトイレ、テレビ、ソファベッド、空調機(エアコン)が備えつけてあります。備え付けのソファベッドをご使用いただくことで家族も病室に泊まっていくことができます。
無料個室へのご希望をお受けすることはできますが、空き部屋が無い場合、一旦有料個室に入っていただき、転室していただくことも可能です。

Q.病棟、施設内の設備について教えてください。
病棟内に憩いの場、コミュニティー構築の場として、電磁調理台を備えた吹き抜けで明るいアトリウム(私たちは「コミュニティードーム」と呼んでいます)を設けています。大画面テレビ、こたつを備えた畳敷きの“和の空間”、カラオケ、本格的マッサージ機器も取り揃え、少しでも有意義な療養生活を送っていただく空間としてご利用いただけます。そこでは、毎週水曜日に、ボランティアの方も参加いただき、季節の行事(お花見、七夕会、花火、お月見、クリスマス会)や催し物(音楽・手品鑑賞、書道など)を行っています。さらに、遠赤外線ルーム(最近、はやりの“岩盤浴”よりもはるかに本格的です)も完備しています。身体の細胞を活性化して血流やリンパの流れを促進し、血中やリンパに含まれる酸素をより多く身体中に送り込んでくれる効果や腰痛などの痛みにも効果があります。
そのほかに、共同の設備として、施設内に洗濯室(6階)、病棟内に6畳の畳の部屋(家族室:緩和ケア病棟内に2部屋あり、家族が泊まることができます)、お風呂場があります。
※病棟、季節の行事の写真はこちら

Q.ペットは飼えますか?
飼うことはできませんが、主治医の了解のもと、少しの時間ではありますが、緩和ケア病棟の中で一緒に過ごしていただくことができます。

Q.キリスト教・仏教などの信仰に関係なく、入院することはできますか?
個人の信教の自由は保障されていますので、入院に関して全く関係はありません。

Q.緩和ケア病棟での行事には何がありますか?
日々の療養生活をより有意義なものにしていただき、楽しみが持てるよう、毎週水曜日に、ボランティアの方を交え、季節の行事(お花見、七夕会、花火、お月見、クリスマス会)や催し物(音楽・手品鑑賞、書道など)を行っています。

家族の付き添いについて

Q.24時間の付き添いは必要ですか?
基本的に必要ありません。患者さんの希望にあわせた付き添いや面会をお願いいたします。ただし、患者さんが望んだ場合や症状によっては付き添いをお願いしています。ご家族が希望にて付き添いいただくことは全く問題ありません。
面会時間は24時間制限がありません。

Q.家族の食事はどうしたらいいですか?
共同キッチンをご利用いただくか、病院の食堂や売店(日曜定休日)および食堂内の自動販売機をご利用ください。また、車で5分くらいのところにコンビニがあります。
退院(外泊)について

Q.外出、外泊はできますか?
もちろんできます。患者さんの状態に合わせて送迎なども相談に応じます。

Q.緩和ケア病棟からの退院は可能ですか?
患者自身あるいはご家族さんが希望されれば、退院は可能です。御自宅
あるいは療養施設への退院をサポートいたします。
また、病状が安定して入院期間が長期となった場合、より緩和ケアの必要な患者に緩和ケア病棟を利用していただくため、自宅への退院、他施設への転院または一般病棟への転棟をお願いすることがあります。この場合も在宅療養や転院に向けた相談・準備等を、お手伝いさせていただきます。退院後も必要時には、責任を持って対応させていただきます。

交通アクセス

七栗記念病院
〒514-1295 三重県津市大鳥町424番地の1
TEL:059-252-1555 FAX:059-252-1383
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